2025年版 ものづくり補助金の条件や事例、スケジュール

2025年にものづくり補助金は公募されるの?
また採択されるポイントは?

ものづくり補助金は2025年の公募が決定しています。
今回は、利用者が多い「製品・サービス高付加価値化枠」を中心に解説します。

1. ものづくり補助金とは?

1-1. 補助金の目的

中小企業や小規模事業者が直面する制度変更に対応し、革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスの省力化を行い、生産性を向上させるための設備投資を支援することです。

1-2. 補助金の概要

1-2-1. 対象者

主に中小企業や小規模事業者が対象で、特に新しい技術やサービスを市場に導入しようとしている企業が優先されます。申請資格は業種や事業内容によって異なる場合があり、詳細は毎年の公募要領で確認する必要があります。

1-2-2. 補助額・補助率

補助上限額は従業員数、補助率は会社規模により決定します。
また特別措置に対応することで、補助上限額や補助率を引き上げることも可能です。

例えば51人以上の事業者が、ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)に申請した場合、補助上限額2,500万円、補助率1/2となります。
一方で、特別措置を満たす場合には補助上限額3,500万円、補助率2/3まで引き上がります。
ただし特別措置で申請し要件が未達成だった場合には、補助金を変換するリスクもあるため、慎重にご検討ください。

《特別措置》
■ 大幅賃上げ特例
・ 給与支給総額の年平均成長率 + 6.0%以上増加
・ 事業所内最低賃金が事業実施都道府県の最低賃金+50円以上の水準
■ 最低賃金引上げ特例
・ 指定する一定期間、地域別最低賃金+50円以内で3ヶ月以上雇用している従業員が全従業員の30%以上いること

1-2-3. 基本要件

申請するために、以下の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定する必要があります。

《基本要件》
① 付加価値額(※1)の年平均成長率が+3.0%以上増加
② 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加
③ 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
④ 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(※2)を公表等(従業員21名以上の場合のみ)
注)最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみ

(※1)付加価値額とは、営業利益・人件費・減価償却費の合計額です。
(※2)一般事業主行動計画とは、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、多様な労働条件の整備などに取り組むために、計画期間・目標・目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。 詳細は下記をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/index.html

1-2-4. 対象経費

ものづくり補助金で対象となる経費は、機械装置・システム開発費、技術導入費、専門家経費などです。
事業再構築補助金とは異なり、建物費は対象外です。

1-3. 過去の採択率

2020年からこれまで18回公募されています。
採択率は31.1%から62.6%、平均すると51.6%となります(17次は除外)。

2. 2025年の申請スケジュール

ものづくり補助金は、2020年からこれまで18回公募されています。
各年ごとに、最も早い公募は1月12日となり、遅くとも2月に締切となる年も多いため、早めのご準備をおすすめします。

《各年度の最も早い締切日》
・2020年4月28日
・2021年2月18日
・2022年1月12日
・2023年2月20日
・2024年1月19日

3. 変更点は

3-1. 基本要件の見直し

新たに「1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上」が追加されました。
また給与支給総額の年平均成長率が、1.5%から2.0%以上に増加しました。
更に21名以上の事業者が申請する際は、一般事業主行動計画を公表する必要があります。

3-2. 従業員区分の見直し・補助上限額の拡充

新たに従業員51人以上の区分が増え、更に21人以上の補助上限額が増えました。
これらにより、大きな設備投資でも利用しやすくなりました。

3-3. 最低賃金引上げ特例の創設

新たに「最低賃金引上げ特例」が創設され、補助率が1/2から2/3とすることができます。
なお小規模事業者は元々2/3ですので、影響はありません。

4. 成功のための事例紹介

本事例は実際の案件を基にしていますが、一部情報を変更しています。

4-1.事例① 製菓店が包あん機と急速冷凍機を導入

ある製菓店が地域の食材を活かして、新商品開発を検討していました。
しかし食感を活かした極薄商品の量産化は、既存の設備と工程では実現できませんでした。
そこで、ものづくり補助金を通じて、包あん機と急速冷凍機を導入することで、商品開発と量産化に成功しました。
今では売上の柱として、安定的な売上をあげています。

《ポイント》
課題:新商品の量産化が既存設備では実現できなかった。
解決策:ものづくり補助金を活用した設備導入
・包あん機:
・急速冷凍機(3Dフリーザ)
成果:新商品の量産化と安定した品質の確保、新たな売上の創出

4-2.事例② 飲食店がセントラルキッチンを立ち上げ

地域に複数の飲食店を営む事業者が、人手不足や効率化を目的として、セントラルキッチンの立ち上げを検討していました。
しかし多額の費用が必要であり、資金の目処が立たず、諦めかけていました。
そこで、ものづくり補助金を活用し、スチームコンベクションオーブンや急速冷凍機、真空包装機等を導入したセントラルキッチンを立ち上げました。
これにより、各店舗で行っていた仕込みが不要となり、人手不足の解消や従業員の残業削減につながりました。また仕込みを一括で行うことで、大量仕入れと歩留まり改善によるコスト削減も実現できました。
人手不足が更に深刻化する中でも、確実に成長できています。

《ポイント》
課題:各店舗で仕込みをするため、負担が大きい
解決策:ものづくり補助金を活用した設備導入
・スチームコンベクションオーブン
・急速冷凍機(3Dフリーザ)
・真空包装機 他
成果:各店舗の仕込みが不要となり人手不足解消・コスト削減、省力化・省人化の実現

4-3.事例③ 農産物の加工設備で県外販路拡大

農産物の生産と直売を行う事業者が、収益拡大のために加工品を通じた県外販路の拡大を目指していました。
しかし既存の設備では、取引条件である大量加工が難しく、需要があっても販路拡大が実現できませんでした。
そこで、ものづくり補助金を活用し、莢剥き機やスチームコンベクションオーブンを導入することで、加工能力が激増しました。
これにより、県外の販路が拡大でき、売上が増加しました。また地元の農産物の付加価値が高まり、地域の魅力を全国に発信できるようになりました。

《ポイント》
課題:既存の設備では大量の農産物の加工が難しい
解決策:ものづくり補助金を活用して加工設備を導入。
・莢剥き機
・スチームコンベクションオーブン
・金属検出器
成果:生産性向上の実現、県外販路の拡大による売上増大、地域の魅力

5. まとめ

2025年のものづくり補助金は、公募が決定しています。
注目は「製品・サービス高付加価値化枠」です。
また2025年の申請スケジュールは、例年通りだと2月には締切が見込まれるため、早めの準備が重要です。

2025年に設備投資を検討されるのであれば、ものづくり補助金が活用できないか、ご検討ください。
無料相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

成長資金あんしんコンサルタント 小林 和之

成長資金あんしんコンサルタント 小林 和之

80社以上の中小企業の資金調達を支援し、新工場建設・設備投資・生産性向上を通じて、企業の成長を支援。

「社長が安心して事業成長に集中できる環境を作る」ことを使命として、補助金や融資をフル活用した資金調達で、企業の成長を後押しする。

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